東京高等裁判所 昭和40年(ネ)1840号 判決
控訴人は昭和三三年八月一日、右訴外人から本件建物を賃借し、敷金として金五万円を右訴外人に差入れたところ、被控訴人は本件建物の所有権を取得するとともに、右訴外人の本件建物の賃貸人たる地位を承継したが、右賃貸借契約は昭和三七年一月二〇日解除により終了し、控訴人は同年一二月一五日被控訴人に対し本件建物を明渡したので被控訴人は右敷金五万円の返還義務があると主張する。
しかし、敷金は、建物の賃貸借にあたつて、賃貸人の債権を担保するために賃貸人に交付される金銭であつて、その返還請求権は、賃貸借契約終了後、賃借人が賃借建物を明渡したときに債務不履行のないことを停止条件とするものである。したがつて、控訴人は賃貸人に対して、債務不履行のないことを主張立証しなければその返還を求められないのである。
(近藤 浅賀 小堀)